セミナーの目的
神戸大学経営学部の1年生から4年生の全学生を主な聴き手として想定して、神戸大学経営学部の教授が、自分が行っている研究、自分が見つけた発見を語る、研究の物語シリーズです。何を見つけようとしているか、何が分かったかに加えて、どうやってそれを見つけようとしているか、どうしてそれが発見できたか、その研究の現場で起こる戦いを、教授自らの言葉で語ってもらいます。
そこで語られる研究や発見を真に理解するにはそれなりの知識と能力が必要ですが、発見の物語は経営学部1年生でも理解できるよう語られます。
授業の中で学ぶ知識ではなく、授業の外で行われている知の創造の姿、大学のもう1つの素顔を知ることができます。六甲台に知の営みを求める学生は、教授が語る物語を聞きに来てください。
参加資格
誰もが自由に参加できます。学部、学年、所属を問いません。どうぞ気軽に話を聞きに来てください。登録、予約は不要です。会場に直接来てください。
開催時間と昼食についての注意
「教授が語る研究の話会」は、金曜日の昼休み時間に開催します。従って、いわゆるランチボックス・セミナーの形式で行います。昼食を持ち込んでもらっても構いませんし、先着20名分の軽食は会場で用意します。
開催スケジュール
「教授が語る研究の話会」第29回
時間 : 平成28年11月18日(金曜日)12時20分から13時15分まで
場所 : 神戸大学六甲台本館210教室
話し手 : 松尾貴巳教授
話題 : 管理会計システムで行政組織のパフォーマンス向上は可能か
[松尾教授からの予告メッセージ]
管理会計システムは、伝統的には製造業などの営利組織のパフォーマンスを向上させるために活用されてきました。1980年代以降は、海外の先進諸国において、わが国でも1990年代の後半から、行政組織や医療組織などの非営利組織のパフォーマンス向上が社会的課題となり、経営学のアプローチで非営利組織のパフォーマンスを向上させることが検討されるようになりました。管理会計の領域でも業績管理、原価管理システムの非営利組織への導入が行われるようになりましたが、営利企業とは営利性や専門性に違いがあることから、管理会計システムと組織とのフィットネス(適合性)を考慮する必要性が指摘されています。
本会では、そもそもなぜこのテーマに私が取り組むようになったのかについて説明したうえで、業績管理の仕組みは果たして行政組織のパフォーマンス向上に役立っているのか、どのように利用すれば役立つ可能性があるのかについて、私がこれまで検討してきた研究の方法や概要についてお話します。管理会計論や統計学に関する専門的な知識は不要ですので、気軽に聞いてください。
これまでに開催した「教授が語る研究の話会」
平成28年度
開催日 | 話し手 | 話題 | |
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第28回 | 2016年10月21日 | 小川進教授 | 海外ジャーナルで勝負する |
平成27年度
開催日 | 話し手 | 話題 | |
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第27回 | 2016年1月12日 | 髙嶋克義教授 | 実務の問題意識から研究課題を導くおもしろさ |
第26回 | 12月18日 | 得津一郎教授 | 市場経済入門の知識でできる実証的研究の話:最近僕が書いた論文をめぐって |
第25回 | 11月20日 | 砂川伸幸教授 | 拡大するファイナンス研究の役割,大学教員の苦難と魅力 |
第24回 | 10月30日 | 桜井久勝教授 | 企業の財務諸表の役立ちを科学的な証拠によって裏づけたい |
第23回 | 7月10日 | 中野常男教授 | 会計を異なる視点から観察してみよう ―会計専門職業と会計規制― |
第22回 | 6月19日 | 小川進教授 | 国際的に研究をしている研究者の話 |
平成26年度
開催日 | 話し手 | 話題 | |
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第21回 | 12月19日 | 内田浩史教授 | ファイナンス・バンキング分野の研究:研究者の仕事と最新の研究内容 |
第20回 | 11月21日 | 梶原武久教授 | コストビヘイビアの背後にあるコストマネジメント行動に迫る! |
第19回 | 6月27日 | 後藤雅敏教授 山地秀俊経済 経営研究所教授 |
なぜ一般投資家は損をするのか? |
第18回 | 5月30日 | 國部克彦教授 | 会計学から幸福を研究することはできるのか? |
平成25年度
開催日 | 話し手 | 話題 | |
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第17回 | 12月20日 | 髙田知実准教授 | 監査の品質は測定できるのか? |
第16回 | 11月15日 | 黄磷教授 | グローバル化と日本企業、そして世界の企業 |
第15回 | 10月18日 | 小川進教授 | 『日本経営学のイノベーション』の取材から |
平成24年度
開催日 | 話し手 | 話題 | |
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第14回 | 11月16日 | 松尾博文教授 | 日本から飛び出して研究してみよう |
第13回 | 10月19日 | 松尾貴巳教授 | 組織や人の業績はどこまで測定できるのか |
第12回 | 6月22日 | 鈴木竜太准教授 | 組織と個人の関係はどのように変わっていくのか |
第11回 | 5月25日 | 出井文男教授 | オフショアリングに関する理論的研究について |
第10回 | 4月25日 | 古澄英男教授 | モンテカルロ法について ー 乱数を使って色々な計算をしよう ー |
平成23年度
開催日 | 話し手 | 話題 | |
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第9回 | 12月14日 | 小川進教授 | MIT Sloan Management Reviewに掲載されるまでを話そう |
第8回 | 11月9日 | 松井建二准教授 | ビジネス・エコノミクスの理論研究と実証研究 |
第7回 | 10月12日 | 宮原泰之准教授 | より多くの情報を集めるほうがよい? |
第6回 | 6月29日 | 三古展弘准教授 | 選択行動はいつでもどこでも同じか?―交通手段選択を例にとって― |
第5回 | 4月27日 | 原拓志教授 | 技術の社会的形成:医薬品開発、技術システム安全 |
平成22年度
開催日 | 話し手 | 話題 | |
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第4回 | 1月12日 | 平野光俊教授 | 女性社員の活躍推進に向けて ―統計的差別と予言の自己成就― |
第3回 | 12月8日 | 小川進教授 | かっこいい研究者になりたい、と僕は思った |
第2回 | 11月10日 | 加登豊教授 | コストマネジメントは研究に値するか: 新製品開発コストマネジメント(原価企画)の海外移転に関する研究 |
第1回 | 10月13日 | 金井壽宏教授 | 集団や組織のリーダーシップの効果: 配慮がもたらす効果について3組織の調査からの発見 |
問い合わせ先
神戸大学経営学研究科/経営学部・研究助成室
電話:078-803-6954