JSTさくらサイエンスプランの科学技術体験コース研修プログラムを実施しました

神戸大学では、2019年8月18日から8月24日まで中国湖北省の武漢新エネルギー研究院と武漢市政府より合計11名の方を招聘して、JST(国立研究開発法人 科学技術振興機構)さくらサイエンスプランの科学技術体験コース「日本スタートアップ型企業の技術経営」プログラムを実施しました。

神大正門前にて

今回のプログラムの目的は、海外から研究者を招へいし、新エネルギーの最新動向、創業とイノベーションのための技術経営に関する短期集中研修を実施することであります。本プログラムは、日本の新エネルギーの研究開発と社会実装における世界先端的な動向を体感してもらうとともに、スタートアップ型企業を含めた中小企業への大学や自治体の支援体制、産官学連携の仕組みを総合的に理解できるような企画になっています。

プログラムの初日には、神戸大学の産官学連携の仕組みに関する講義を受け、大学の研究施設を体験してもらうため、研究室の見学を実施しました。二日目は、神戸ポートアイランドに設置してある水素燃料100%のガスタービン発電装置を視察し、川崎重工業株式会社水素チェーン開発センターおよび国立研究開発法人NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)次世代電池・水素部の専門家による講義を受けました。また、360社もの企業が集積している先端医療医薬の産業クラスターである「神戸医療産業都市」を見学し、産業クラスターの形成の仕組みと発展の歴史についての講義を受けました。三日目には、100年以上の歴史を有し、中小企業が集積している大阪府下の企業の技術開発をサポートするプラットフォームである大阪産業技術研究所を見学し、実験や技術開発の現場を体験しました。さらに、パナソニックミュージアムを訪問し、松下幸之助歴史館とものづくりイズム館を見学しました。

さらに、イノベーション、産学連携、起業支援および社会実装の仕組みなどに関する日中間比較を行った講義は、プログラム参加者にとって日本の創業と技術経営の一端を理解する貴重な機会となりました。

さくらサイエンスプランの支援を受けて、これまでも本学では中国をはじめ、海外の大学や研究機関からの学生や研究者の受入を実施してきました。これまでの経験を蓄積して、短期間な研修プログラムでありながらも、世界共通の社会的に関心の高いテーマについて深く理解し、そして、さまざまな側面で日本の社会や文化に触れられるような学習機会を提供してきました。今後とも、より多くの海外の学生や研究者に日本のすばらしさと本学のすぐれた研究環境を体験してもらいたいと考えています。

神戸大学六甲台キャンパスでの講義の様子