人生を変えるMBA―「神戸方式」で学ぶ最先端の経営学―

著者名 神戸大学専門職大学院(MBA) 編
タイトル 『人生を変えるMBA — 「神戸方式」で学ぶ最先端の経営学』
出版社 有斐閣 2015年7月
価格 1800円 税別

紹介

本書は、神戸大学大学院経営学研究科がMBAプログラム創設25周年を記念して編集し、出版されたものです。神戸大学MBAは、全国に先駆けて1989年に誕生しました。この25年間に、神戸大学MBAプログラムでつねに真摯に取り組んできたのは、日本の産業界で求められている経営学の高度専門教育の在り方を発見し、国際的に活躍でき、日本のビジネス社会の中核となる経営人材を育成するための最も適切な方法を確立することです。安易に欧米の教育方法を模倣するのではなく、神戸大学MBAが独自に開発したこの教育方式は「神戸方式」と呼ばれ、全国的に高く評価されています。

 

本書は3部構成となっています。第1部では、神戸大学MBAの3つの柱―「働きながら学ぶ」、「研究に基礎をおく教育」と「プロジェクト方式」―を、教育方針の基本発想、設計思想、プログラムの意義と効用、そして、独自のポジションおよびグローバル化の方向性などの点から神戸大学MBAの教授陣によって詳しく解説しています。第2部では、神戸大学MBAの教授陣が執筆し、経営学の最先端のトピックを解説した10編の論文を取りまとめています。さらに第3部では、卒業生インタビューや現役生によるプロジェクト研究の内容、プロセスと教育効果が詳細に紹介されています。

 

本書は、神戸大学MBAのエッセンスが詰まった一冊ですが、神戸大学MBAの教授陣には、次の25年へ向けて新しいスタートを切るための不動の原点を示し、MBAプログラムに在籍する現役学生には、より高度な学習の効果と教育のメリットを得るための手引きにもなります。そして、本書は、ビジネスの最前線にいて現実に直面するさまざまな経営現象や実務の問題をより深く理解し、一年半という圧縮したMBAプログラムを通して、真に問題解決能力を高めて世界に通用するビジネスリーダーを目指したい方々にぜひ手にしていただきたい一冊です。

関連リンク:
人生を変えるMBA ―「神戸方式」で学ぶ最先端の経営学―(有斐閣のページ)

    目次

    第Ⅰ部 日本型MBAプログラム
    第1章 日本型MBA教育と「神戸方式」[黄 磷]
    第2章 神戸大学MBAの設計思想[小川 進]
    第3章 「働きながら学ぶ」意義と効用[加護野 忠男]
    第4章 MBAで考えることを学ぶ[高嶋 克義]
    第5章 経営トップを輩出するためのMBAプログラム[三品 和広]
    第6章 大学における経営のグローバル人材養成[松尾 博文]

    第Ⅱ部 MBAプログラムで学ぶ最先端の経営学
    第7章 戦略コントロールとバランスト・スコアカード[梶原 武久]
    第8章 人材マネジメント型企業変革リーダー[平野 光俊]
    第9章 コミットメント経営[鈴木 竜太]
    第10章 「社会の枠組み」のなかでのイノベーション[松嶋 登]
    第11章 サービス・イノベーション[伊藤 宗彦]
    第12章 グローバル市場で成功するための六つの視点[黄 磷]
    第13章 ステイクホルダー理論をめぐる諸論点[堀口 真司]
    第14章 国際会計基準適用会社の事例分析[音川 和久]
    第15章 航空産業分析─―日本の新規航空会社の競争パターンと参入効果[村上 英樹]
    第16章 公的・非営利組織のマネジメント・コントロールシステム[松尾 貴巳]

    第Ⅲ部 MBAでの学習の社会への還元
    第17章 神戸大学MBAの実際[黄 磷]
    第18章 神戸大学MBAの原点[田村 正紀]
    Column 神戸大学経営学部のルーツ[加護野 忠男]
    第19章 MBAで論文をいかに書くか[國部 克彦]
    第20章 経営とMBA──戻る原点と進化[株式会社フェリシモ代表取締役社長 矢崎 和彦×インタビュアー 南 知惠子]
    第21章 プロフェッショナルの仕事術  [神戸大学MBA卒業生]
    第22章 ケースプロジェクトを振り返って[神戸大学MBA在学生]
    第23章 テーマプロジェクトを振り返って[神戸大学MBA在学生]
    第24章 修了生のネットワークの重要性[MBA Cafe(神戸大学MBA同窓会組織)理事]
    第25章 現代経営学研究所(RIAM)について[三矢 裕]

    (経営学研究科・教授 黄 磷)