信頼とデジタル 顧客価値をいかに再創造するか

 

著者名 三品和広 、山口重樹 (著)
タイトル 『信頼とデジタル 顧客価値をいかに再創造するか』
出版社 ダイヤモンド社 2020年8月
価格 本体2,200円+税

紹介

NTT Data 副社長の山口さんとの共著第二弾です。私のパートは 読み流していただければよいのですが、デジタルの世界で欧米の 巨人たちを向こうに回して奮闘していらっしゃる現役の経営者が 何をどう見ているのかは興味深いところです。よろしければ、手に とってみてください。

目次

はじめに

第1章 大企業受難の時代

(1)大企業は永遠なり、という思い込み

国内でも負け始めた日本の大企業

大企業を動かす1980年代に就職した人々

デジタル化の誤った取り入れ方

(2)なぜ大企業は繁栄したのか
大企業を生み出したものとは何か
大企業とともに拡大する規模の経済
ビジネスにおける時空間の制約を取り払ったもの
国籍不明の製品が溢れる世界
大企業を守ってきたビジネスの制約

(3)なぜ大企業は衰退したのか
大企業衰退の4つの要因
要因① 大企業のスピードの低下
要因② 競争優位を無効化するアンバンドリング
要因③ テクノロジーの民主化
要因④ 悪化し続ける大企業病
大企業を苦しめる余分なレガシー
ソニーはなぜプラットフォーマーになれなかったのか

(4)宿命を変えるためのヒント
貸借対照表に表れない企業の資産
デジタル時代に武器になる大企業の強みとは
最高の品質ではなくとも支持されるマクドナルド
真のデジタル戦略をつくる原点となる「信頼の棚卸し」

第2章 デジタルが変える競争優位と経営戦略

(1)デジタルが競争優位を変える
「ウィズダム(叡智)」が競争優位を生み出す時代へ
デジタルエコノミーの3つのドライバーと失われる大企業の競争優位
大企業の強みを生かしたデジタル化に必要なこと

(2)顧客価値リ・インベンション戦略
顧客価値のリ・インベンション
顧客価値リ・インベンション戦略① 顧客の真の課題を解決する
顧客価値リ・インベンション戦略② 顧客価値を継続的に向上させる
継続的価値向上のための学習
デジタルエコノミーのさらなる加速
コラム1 デジタルが解消するボトルネック

第3章 顧客価値リ・インベンション戦略のフレームワーク

(1)顧客とのバウンダリーを引き直し、新たな立地へ
アクティビティをデジタル化する

(2)トラステッド・パートナーとなるための七つの観点
観点① 顧客課題(ジョブ)の抽出 ── 提供価値を問い直す
観点② 顧客課題解決に必要なアクティビティの抽出 ── 隠れたニーズを可視化する
観点③ 新たなアクティビティのデジタル化 ── 提供価値をデザインする
観点④ データと学習メカニズムの特定 ── 進化の仕組みを埋め込む
観点⑤ 顧客課題を解決するアクティビティの分担 ── 顧客と企業のバウンダリーを変える
観点⑥ 収益モデルの構築 ── サブスクがすべてではない
観点⑦ 仕組みと提供体制 ── 新たな構え
コラム2 プライバシー規制はどうなるか?
コラム3 データ分析で相関ではなく因果を把握することは可能か?
コラム4 予測精度を上げるにはどれだけのデータ量が必要か?

第4章 事例で読み解く顧客価値リ・インベンション戦略

(1)フレームワークによる事例の読み解き
■ 事例1 価値を食卓に届ける〔ウォルマート〕
■ 事例2 カスタムとマスの両立〔カーボン〕

(2)顧客の「トラステッド・パートナー」になるために
コラム5 デジタル化で店舗はどう変わるのか?
コラム6 デジタル化でモノづくりはどのように変わるのか?

第5章 〔インタビュー〕 顧客価値リ・インベンション戦略を有効にする先端テクノロジー

インタビュー1 Star 創設者・会長 ユハ・クリステンセン
デザインアプローチを、顧客価値のリ・インベンションにどう生かすか
すべての基礎に「エンパシー(共感)」がある
デザインが、ブランド価値になる
デザインが、未来の姿を変えていく
大企業のカルチャーを変える「コ・クリエーション(共創)」

インタビュー2 DataRobot 創設者・CEO ジェレミー・アシン
AIを顧客価値リ・インベンション戦略にどう生かすか
AIを生かせる2つの領域
AIプロジェクトを成功に導くセオリーとは
AIの信頼性を高めるためのチーム
スマホのようなAIをいかに生み出すか

第6章 〔対談〕 デジタル時代にこそ、大企業の信頼を生かした変革を

三品和広 ◆ 神戸大学大学院経営学研究科 教授
山口重樹 ◆NTTデータ代表取締役 副社長執行役員
デジタル革命は、第二フェーズへ
社内のベストプラクティスを標準化
価値の本質を問い直す
攻めの信頼、守りの信頼
中期経営計画(中計)+αの新たなマネジメントの模索
専門性を生かして、信頼から信任へ
経営の枠組みのアップグレードを

おわりに

 

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