経験から学ぶ経営学入門


著者名 上林憲雄 奥林康司 團泰雄 開本浩矢 森田雅也 竹林明
タイトル 経験から学ぶ経営学入門
出版社 有斐閣 2007年4月
価格 2400円 税別

書評

本書は、「経営学」の全体像を、初歩の初歩からわかりやすく、しかもレベルは落とさずに学界の最先端まで説明することを目指すという、敢えて“二兎”を追求したテキストです。

本書の最大の特徴は、タイトルにもあるように、18~20歳前後の学生さんの“経験”から経営の現実が理解できるように書かれている点です。高校生・大学新入生クラスの学生さんは、経営について何の知識ももっていないのが普通です。ですから、通り一遍の企業経営の説明では、全くバーチャルな世界として受け取られ、現実離れした理解に終始しがちです。このテキストでは、そうならないように、例えば野球やサッカーなど、皆さんになじみのある身近なスポーツを取り上げて組織やマネジメントの概念を説明しています。あるいは、皆さんが日常生活で何となく見聞きしている現象(ニュース、アルバイト先の職場など)を取り上げて分析するといった工夫が随所に凝らされています。現象の羅列で捉えどころがないと受け取られがちの「経営学」で、何が基礎的に重要なポイントであり、それら基礎の応用として何を学習すべきなのかが、体系的に理解できるよう構成されています。MBAの学生さんでも、特に大学学部時代に経営学を学習された経験のない方や、ひととおり経営学の体系を知っておきたい方にはお薦めです。

このテキストで学ぶことによって、経営学が皆さんにとって身近で楽しく、かつ論理的にすっきりと理解できるようになることを保証します。

目次

第1章  会社の経営とはどんなことか【企業経営入門】
第2章  会社はどのようにして社会に役立っているのか【企業】
第3章  会社は誰が動かしているのか【コーポレート・ガバナンス】
第4章  会社はどのような方針で動いているのか【経営理念と戦略】
第5章  会社はどんな仕組みで動いているのか【組織形態】
第6章  会社は他の会社とどのように協力しているのか【組織間関係】
第7章  会社はどのようにしてモノを造るのか【生産管理】
第8章  社員は仕事をどのように分担しているのか【組織構造と職務設計】
第9章  社員はなぜ働くのか【モチベーションとリーダーシップ】
第10章 社員はなぜ組織にとどまろうとするのか【雇用システム】
第11章 社員はどのような報酬を求めるのか【報酬制度】
第12章 社員はどのようにして育てられるのか【人材育成制度】
第13章 会社はどのようにしてモノを売るのか【マーケティング】
第14章 会社は海外でどのように経営しているのか【国際経営】
第15章 会社の利益はどのようにして測定するのか【会計制度】
補章  経営学とはどんな学問か【学問論】