中国・ASEAN経済関係の新展開


著者名 大西康雄 編 黄りん 著(第5章担当)
タイトル 中国・ASEAN経済関係の新展開
出版社 アジア経済研究所 2006年1月
価格 4000円 税別

書評

中国経済の台頭をきっかけとして東アジア、南アジアにおける域内経済関係-貿易と相互投資-が新しい展開をみせつつある。本書はその現状を把握し、将来を展望することを目指したものである。

マレーシアの対中貿易額は2002年にシンガポールのそれを超え、マレーシアが東南アジアのなかで中国の最大の貿易相手国となった。1995年以降約10年間におけるマレーシアと中国の貿易関係を詳しく分析すると、両国間の貿易関係に構造的な変化が生じている。中国製品の東南アジア市場への流入拡大が注目されると同時に、中国企業の東南アジア進出も話題にのぼるようになった。東南アジア市場においても、中国企業のプレゼンスは目立つようになっているものの、その実態はまだ明確にされていない。

著者が執筆した第5章では、マレーシアと中国の貿易投資関係に焦点を当てている。まず、1995年以降の貿易額と貿易品目の変化を取りあげて、両国間の貿易関係の構造的な変化と現状を明らかにし、両国間の海外直接投資(FDI)の推移と特徴を概観することによって、マレーシアの多様な企業が中国に投資している現状に対して、中国企業のマレーシアへの直接投資が予想されたほど活発でないことを示した。また、両国間の直接投資の実態を明らかにするために代表的な企業の事例を数社取りあげた。

目次

第I部 中国・ASEAN経済関係の概観
第1章 深化する中国・ASEAN経済関係-FTAへの助走-
第2章 国際貿易における中国・ASEANの競合と協調

第II部 域内企業の海外投資戦略と相互依存
第3章 韓中間の貿易・投資関係-深化する相互依存関係-
第4章 タイ・中国企業の海外投資-CPグループ、華源集団を事例として-
第5章 マレーシアと中国の貿易と直接投資
第6章 中国企業の対ASEAN投資

第III部 中国製品流入の実態と各国経済への影響
第7章 タイの家電市場と中国製品流入の影響
第8章 インドネシアにおける中国製品の流入と国内経済への影響
第9章 ベトナムのテレビ製造業とTCLの挑戦
第10章 フィリピンの対中経済関係と中国製品の流通

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