ブランド -価値の創造-


ブランド −価値の創造− カバー写真
教官名 石井 淳蔵 教授
タイトル ブランド 
−価値の創造−
出版社 岩波新書 
1999年9月
価格 660円 税別

書評

 社会の富の基本形態が商品よりもブランドである現代資本主義経済において、まず、ブランドの分析からはじめなくてはならない。

  1. 名前という実体のない対象の買収に高額の投資をする理由はどこにあるのか?
  2. そこまでして手に入れて。ブランドからいったいどういう利益が得られるのか?
  3. あるいはそもそもブランドが、消費欲望にも他の権威にも還元されずして、どうして(土地や労働と並ぶ)価値を持つに至るのか?

 という問いに対して、本書の課題は、ブランドの創世記を問い直すことからはじめて、「ブランドという名前がどうして価値を持つようになるのか?」のメカニズムに迫り、その帰結を明らかにすることにある。

 最後に、マーケティング論におけるコミュニケーションの新しい視座も提供している。