財務会計講義(第12版)

著者名 桜井久勝 著
タイトル 財務会計講義(第12版)
出版社 中央経済社 2011年3月
価格 3800円 税別

書評

会計基準の最新動向を織り込んで、今春も版を更新しました。

近年、日本の会計制度はめまぐるしく改正を重ねてきました。着々と進行する金融ビッグバンのもと、投資家に自己責任を求める前提として、企業の実態を的確に表す透明度の高い財務諸表の公開を促進すべく、会計基準の整備がはかられてきたのです。また会計基準の国際的な統合をめざして進行するグローバリズムに適応するための変革も精力的に推進されています。

そこで本書も、これらの新展開を織り込んで最新の財務会計を解説すべく、旧版を大幅に改訂して第12版としました。この版で解説に織り込まれている新しい会計基準は次のとおりです。

第1に、2011年3月終了年度や2011年4月以降開始の年度から強制適用される次の事項に関する新基準を解説しています。連結財務諸表における包括利益の表示(企業会計基準第25号)、および会計上の変更や誤謬に伴う財務諸表の遡及処理(同第24号)がそれです。

第2に、最終的な確定基準に向けて審議の途上にあるが、公開草案によって将来の方向性が明示されているトピックスも解説の範囲に含めています。退職給付会計における過去勤務費用と数理計算差異の認識、資産・負債の公正価値の測定と開示、連結の範囲に関する特別目的会社の取扱、および四半期財務諸表の開示情報の簡素化がそれです。

本書は、著者が神戸大学で開講する財務会計の講義用のテキストとして出版したものですが、企業会計を細部まで体系的に理解しようとするビジネスマンにも有益です。また公認会計士・税理士・証券アナリストなど、各種の資格試験の受験用参考書としても役立つように配慮しています。

目次

第1章 財務会計の機能と制度
第2章 利益計算の仕組み
第3章 会計理論と会計基準
第4章 利益測定と資産評価の基礎概念
第5章 現金預金と有価証券
第6章 売上高と売上債権
第7章 棚卸資産と売上原価
第8章 有形固定資産と減価償却
第9章 無形固定資産と繰延資産
第10章 負債
第11章 株主資本と純資産
第12章 財務諸表の作成と公開
第13章 連結財務諸表
第14章 外貨建取引等の換算