日本企業に見るウェブサイトのマーケティング利用の分化

要約

 インターネットにおけるウェブサイト利用は、1990年代のなかばに実現化し、急速に普及していった。ウェブ・テクノロジーは、新しい産業を生み出してきただけではなく、従来から存在していた企業のビジネスにも大きな影響をおよぼしてきた。ウェブのインパクトを無視して、この20年間のマーケティングの変化を語ることはできないだろう。
 本研究は、現在わが国の主要企業が、ウェブをマーケティングに活用するために、どのようなウェブサイトを構築し、どのような運営を行うようになっているかを把握し、その構造を実証的にとらえようとするものである。以下では、まず、(1)われわれがこの調査と分析を行うねらいとその位置づけを述べ、続いて、(2)調査と分析の結果として、わが国の主要企業におけるウェブサイトの利用は、顧客維持、宣伝・販売、情報収集、窓口づくりといった目的のもとで展開されており、これらの利用のモデルは、「直接収益型」「間接収益型」という区分ではなく、「市場型」「コミュニティ型」という区分のもとで分化していることを提示し、最後に、(3)この発見物の意義と今後の課題を述べる。

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栗木契

水越康介

宮本次郎

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