分散化が金融機関のパフォーマンスに及ぼす影響

要約

本稿では、日本の銀行における業務内容および貸出先の分散化が、自身のパフォーマンスにどのような影響を及ぼすかについて実証分析を行った。時系列分析では、1998年度以降の経常収益のボラティリティーの低下は、貸出業務収益のボラティリティーの低下と、貸出業務収益とそれ以外の収益の相関が低下したことが原因であることが分かった。パネル分析では、業務内容の分散化は銀行のリスクを低めるものの、それ以上に利益を低めること、貸出先の分散化は銀行のリスクに影響を及ぼすことなく利益を高めることが明らかになった。これらの実証結果から、銀行の利益追求と安定経営を両立させるためには、業務内容を集中化させる一方で、貸出先の分散化を進めることが有効であることが示唆された。

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畠田敬

立花実

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