組織行動研究レビュー:2001年〜2018年までの展開と課題

2019・2

要約

本研究の目的は,2000年以降の組織行動(organizational behavior: OB)研究の展開をレビューし,この領域の研究の現状と課題を明確化すること,その上で,今後取り組むべき問題を明確にすることである。リーダーシップや組織コミットメントといった個別具体的な研究トピックについてではなく,組織行動という学問領域全体を俯瞰することが特徴となる。その際に採用するのは,記述的な(descriptive)レビューだけでなく,個別のトピックの研究を量的に把握するというアプローチである。2001年1月~2018年12月の間に主要ジャーナル上に発表された研究トピックの分析から,(1)この時期に登場した新規トピックのバリエーション,(2)研究蓄積が具体的にどのトピックを巡って,どの程度行われたのかという新旧トピックの出現数,(3)こうした分析から浮かび上がる,組織行動研究全体を覆う5つの問題が明らかになった。

キーワード: 組織行動,レビュー,組織行動研究のコアコンピタンス,オリジナリティ,中心性,リサーチプラクティス・ギャップ,トピックの偏在

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服部泰宏

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