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INDEX
プログラムの運営上、内容や要件等が変更される可能性があります
神戸経営DSPとは
2023年度より始まった「経営データ科学特別学修プログラム」(以下「神戸経営DSP」という。)は、
「経営学の理論に基づき、データの意味を理解し、データを用いて理論を検証し、検証結果から実践的示唆を導き出せる人材を輩出することを目指したプログラム」
です。企業を含め、社会の様々な場面でデータを使って経営に役立てる分析を行うことのできる人材が求められています。このプログラムは、単にデータ分析ができるだけでなく、経営学を使ってデータを用いて経営を考えることのできる人材、具体的には
「経営学部・研究科出身だけれど自分でデータ分析を行って経営に活かすことができる」
「経営に必要な分析を設計し、高度なデータ分析能力を持つ理系人材に対して指示できる」
「データ分析に詳しくない人材とデータ分析に長けた人材の橋渡しを行う翻訳者となれる」
ような人材を輩出しようとするものです。
一般に、経営学の科学的アプローチを基礎とするデータ分析・データサイエンスに必要な能力としては、以下が考えられます。
神戸経営DSPは、これらの能力を身に付けるための体系的な教育プログラムです。
3つのプログラム:「5年一貫DSP」、「学部DSP」、「修士DSP」
神戸経営DSPは、
(1)「経営データ科学特別学修プログラム(5年一貫)」(通称「5年一貫DSP」)
とその構成要素である
(2)「経営データ科学特別学修プログラム(学部)」(通称「学部DSP」)
(3)「経営データ科学特別学修プログラム(修士)」(通称「修士DSP」)
から成りたっています。

(1)5年一貫DSP
5年一貫DSPは、神戸経営DSPの中心となるプログラムで、(2)学部DSPと(3)修士DSPを共に修了するとともに、学部早期卒業(3.5年間)と博士前期課程早期修了(1.5年間)を組み合わせ、合計5年間で高度なデータ分析を理解・実践し、企業等で活かすことのできる修士人材を養成するプログラムです。5年一貫DSPには、学部3年次に所属申請を行う必要があります。
(1)5年一貫DSP修了 = (2)学部DSP修了 + 学部早期卒業(3.5年) + (3)修士DSP修了 + 博士前期課程早期修了(1.5年)
(2)学部DSPと(3)修士DSP
(2)学部DSPと(3)修士DSPは、それぞれ神戸大学経営学部と大学院経営学研究科(博士前期課程)の教育プログラムです。特定科目の単位修得を次の科目の履修条件とし、積み上げ式で必要な単位を修得して、結果的に要件を満たせば修了となります。修了要件を満たした学生には認定証を発行します。
学部DSPと修士DSPは5年一貫DSPのために設計されています。ただし、5年一貫DSPに所属せず、学部DSP、修士DSPのいずれかのみを修了することも可能です。それぞれのプログラムを終了した学生には修了証を発行します。
求められる能力と学部・修士DSPの内容
学部DSP
学部DSPでは、上記4つの能力のうち主に[3]と[4]の能力を身に付け、経営学の各分野において、学部レベルで必要と考えられる一定のデータ分析を行うことができること、具体的には以下ができるようになることを目指します。
- 与えられたデータを統計パッケージに読み込み、
- 基本的な記述統計を示しながらデータの意味を理解し、
- 基礎的な分析(回帰分析)を行って結果を得て、
- 統計的推論に基づきその結果を解釈することで、
- 経営学の基本的な理論(仮説)を検証し、
- その理論の現実妥当性を判断したうえで、
- 当該理論が示す実践的示唆に基づき、
- 当該経営現象に対して科学的根拠を持つ実践的示唆を提示する
修士DSP
修士DSPでは、学部DSPには含まれない[1]と[2]に加え、[3]と[4]も含めて4つの能力を全て身に付け、経営学の各分野の知識とデータ分析の手法を習得し、企業等での実際の経営の現場でデータ分析を活用できるようになること、具体的には上記1~7に加えて以下ができるようになることを目指します。
- 経営学の理論に基づきデータ分析により解明すべき課題を自ら設定し、
- データによる検証が可能な理論(仮説)に落とし込み、
- 仮説の検証のために必要とされる分析を設計し、
- その分析のために必要なデータを特定し、
- 経営の現場で得られる多種多様なデータの中から元となるデータを入手、あるいは自らアンケート調査等を設計・実施して入手し、
- 分析可能なデータセットを整備するために必要な処理(結合・整理・加工等)を特定し、
- その処理を行って分析可能な整備されたデータセットを実際に構築し、
- 自らが設計した仮説を検証してその結果に基づく実践的示唆を得る。
学部DSP科目と修了要件
2025年度入学生
科目 | 単位数 | DSP修了要件 | (参考)学部卒業要件 | ||
---|---|---|---|---|---|
基礎 | 経営科学の基礎 | 2 | 2単位 | 12単位以上 | 128単位 |
経営統計 | 2 | 2単位 | |||
経営数学 | 2 | 2単位 | |||
演習(入門) | 経営データ分析(入門演習) | 2 | 2単位 | ||
演習(専門) | 経営データ分析(各分野)(複数科目開講) | 1or2 | 4単位以上 | ||
(学部ゼミ) |
(修了要件外だが学部ゼミには所属) (原則として修士DSPの指導教員の学部ゼミ) |
2024年度入学生
科目 | 単位数 | DSP修了要件 | (参考)学部卒業要件 | ||
---|---|---|---|---|---|
基礎 | 経営科学の基礎 | 2 | 2単位 | 12単位以上 | 134単位 |
経営統計 | 2 | 2単位 | |||
経営数学 | 2 | 2単位 | |||
演習(入門) | 経営データ分析(入門演習) | 2 | 2単位 | ||
演習(専門) |
経営データ分析(各分野)(複数科目開講) ※各分野の括弧が()ではなく【】と表記されるものがある。 |
1or2 | 4単位以上 | ||
(学部ゼミ) |
(修了要件外だが学部ゼミには所属) (原則として修士DSPの指導教員の学部ゼミ) |
2023年度入学生
科目 | 単位数 | DSP修了要件 | (参考)学部卒業要件 | ||
---|---|---|---|---|---|
基礎 | 経営科学の基礎 | 2 | 2単位 | 10単位以上 | 134単位 |
経営統計 | 2 | 2単位 | |||
演習(入門) | 経営データ分析(入門演習) | 2 | 2単位 | ||
演習(専門) |
経営データ分析(各分野)(複数科目開講) ※各分野の括弧が()ではなく【】と表記されるものがある。 |
1or2 | 4単位以上 | ||
(学部ゼミ) |
(修了要件外だが学部ゼミには所属) (原則として修士DSPの指導教員の学部ゼミ) |
「経営データ分析(各分野)」について
- この科目は複数の科目が同時に開講されます。取り扱う分野・テーマを表す括弧内(「(各分野)」)によって異なる科目になります。
- 実際に各年度で開講される「経営データ分析(各分野)」については都度案内します。
各科目の履修条件等
- 「経営データ分析(入門演習)」を履修するためには「経営統計」の単位を修得している必要があります。
- 「経営データ分析(各分野)」を履修するためには「経営データ分析(入門演習)」の単位を修得している必要があります。
- 各科目には推奨する履修の順番等に応じて独自の履修条件が設定されることがあります。また演習科目には定員が設定されることもあります。各科目のシラバスを確認してください。
学部DSP科目とその年次配当
学部DSPではまず「経営統計」と「経営数学」でデータ分析に必要な統計・数学の知識を学び、「経営科学の基礎」で経営学の科学的アプローチを学びます。その後、「経営統計」で学んだ統計理論を「経営データ分析(入門演習)」で復習しつつ、統計分析ソフト「R」を用いて分析方法を学び、複数開講される「経営データ分析(各分野)」で実際のデータを用いて分析を行うことで、上記4つの能力のうち主に[3][4]を修得します。
学部 | 前期 | 後期 | ||
---|---|---|---|---|
1Q | 2Q | 3Q | 4Q | |
1年次 | (初年次セミナー) | (経営の最前線と経営学) | ||
(1群科目:経営学基礎論、会計学基礎論) | (1群科目:市場システム基礎論) | |||
○経営統計 | ||||
2年次 | ○経営数学 | (2群科目:経営戦略、管理会計、財務会計、マーケティング、経営史、金融システム) | ||
(2群科目:簿記、交通論、経営管理、コーポレートファイナンス) | ||||
○経営科学の基礎 | ||||
経営データ分析(入門演習) | 経営データ分析(各分野)(複数開講) | |||
3年次 | 経営データ分析(各分野)(複数開講) | 経営データ分析(各分野)(複数開講) | ||
(3群科目) | (3群科目) | |||
(研究指導(ゼミ)) | ||||
4年次 | 経営データ分析(各分野)(複数開講) | – | ||
(3群科目) | ||||
(研究指導(ゼミ)) |
(注)水色の背景で示された科目が学部DSP修了要件科目です。〇印の科目は、DSP用に設計された科目ではないが、その内容から修了要件に含まれている科目です。
学部ゼミについて
- 5年一貫DSP(修士DSP)では早期卒業を行うためゼミの単位は修得できませんが、原則として学部ゼミの指導教員が大学院の指導教員となるため、学部3年前期から4年前期まで学部ゼミに所属する必要があります。5年一貫DSP生を受け入れる(5年間指導できる)学部ゼミ「DSP協力ゼミ」は、ゼミを選択する際(2年後期)に一覧を示します(ほとんどのゼミはDSP協力ゼミです)。
- DSP協力ゼミ以外のゼミに所属している学生も、5年一貫DSP(修士DSP)に進めます(大学院での指導教員を変更します)。
学部DSPだけの修了も可能
5年一貫DSP所属(早期卒業)でなくても、上記の配当学年・セメスターより遅れて履修しても、卒業までに修了要件を満たせば学部DSP修了を認定し、修了証を発行します。
大学院科目(修士DSP修了要件科目)の先行履修
3年次前期または後期の終了後に5年一貫DSPに申請した学生は、一定の要件を満たした場合、その後のセメスターに開講される修士DSP科目を履修し、大学院進学後に修士DSP修了要件に参入できます。5年一貫DSPは先行履修を前提としており、推奨する科目は別途お知らせします。
先行履修とは
学部在学時に大学院授業科目を履修する制度。先行履修で修得した科目の単位は、学部の卒業要件単位に含まれませんが、大学院に進学した際に、大学院修了(修士DSP修了)の要件に算入することができます。詳しくは先行履修の募集要項を確認してください。