過去の神戸大学MBA公開セミナー

第28回:2013年11月6日(水)18:30~19:45

カスタマービジット・プログラム~アクションリサーチの成果を踏まえて

経営学研究科教授 栗木契三矢裕
重要な顧客企業を、定期的に訪問する。「そんな活動は目新しくない」と思われるかもしれません。しかし、その訪問は、自社にとっての新しい課題の発見を行い、イノベーションをうながすことにつながっているでしょうか。
顧客訪問は、営業部門が日々行っている。しかしそこから、イノベーションにつながるような取り組みはなかなか生まれてこない。このような悩みをかかえる企業は少なくないようです。
なぜ、顧客訪問はイノベーションに結びつかないのでしょうか。考えなければならないひとつの問題は、顧客訪問からイノベーションを導こうとすれば、そのプロセスにはいくつものボトルネックがあることです。たとえば、相手企業との間に信頼関係が築けていないなかでの訪問では、イノベーションにつながるような情報を得ることは期待できません。さらに言えば、訪問先ではコンテクストを踏まえた情報把握が必要ですし、把握した顧客情報の社内での共有を進めることも必要です。また、全社的な経営改革が課題なのであれば、社内の各部門が部分最適な取り組みに終始しないようにすることも必要です。
以上のような認識を踏まえて、カスタマービジット・プログラムは、漫然と顧客訪問をくり返すのではなく、経営改革に結びつくように設計されたプログラムを用意し、そのもとで顧客訪問を行うことを推奨します。カスタマービジット・プログラムは、日本ではあまり知られていませんが、アメリカではヒューレット・パッカードをはじめとする多くのリーディング企業に採用されてきた手法です。本セミナーでは、カスタマービジット・プログラムの概要、そしてその導入事例を、アクションリサーチの成果を踏まえて紹介します。
募集人数は75名です。
(日本消費者行動研究学会との共催)

開催場所:神戸大学梅田インテリジェントラボラトリ