過去の神戸大学MBA公開セミナー

第31回:2014年3月5日(水)18:30~19:45

地域マネジメントの最前線:長浜市黒壁および北九州市魚町商店街における遊休不動産を利用したまちづくりの事例から

(株)ジャパンインターナショナル総合研究所 木村隆之
首都大学東京社会科学研究科 高橋勅徳
神戸大学大学院経営学研究科 松嶋登

 地域の眠れる資産の活用を目指す地域活性化の実践では、官民どちらが主導となって行うとしても、企業経営とは異なる特有の困難が付きまといます。「地域」は様々な組織や集団に属する人々の集合体であるが故に、通常の企業経営のように権限に基づくリーダーシップや理念の浸透によって、進めることが出来ません。地域活性化のためには、既存の組織や集団にそれぞれ属し、各々に多様な利害を有する「ままならない地域住民」と対峙することが求められます。この「ままならない地域住民」を、地域活性化に向かってまとめ上げ、彼らの持つ必要な資源や諸力をまちづくりに注入していくためには、地域内に根付いた組織や集団に代わる、新たな基盤を作り上げる活動が必要不可欠になります。
 そこで本セミナーでは、滋賀県長浜市黒壁スクエアの事例と、北九州市小倉魚町商店街のまちづくり事例を通して、「ままならない地域住民」をマネジメントする新たな基盤としての遊休不動産の利用について紹介いたします。地域の資源を有する「ままならない人々」たちと、新たな利害関係を結び直し、まちづくりに向けて方向付ける新たな基盤としての遊休不動産に注目します。黒壁スクエアと小倉魚町商店街は、遊休不動産の有効利用する管理会社を設立していくことで、地域の資源を有する「ままならない人々」たちと、新たな利害関係を結び直し、まちづくりに向けて方向付けることに成功しました。このセミナーでは、これらの事例紹介を通じて、地域マネジメントを可能とする基盤作りについて検討していきます。

募集人数は75名です。

開催場所:神戸大学梅田インテリジェントラボラトリ