過去の神戸大学MBA公開セミナー

第25回:2013年7月3日(水)18:30~19:45

損失の使い方

経営学研究科教授 鈴木一水
景気回復の兆しが見えてきたとはいえ、まだ先行き不透明感もぬぐえません。懸命の経営努力にもかかわらず、不本意ながら損失を計上せざるをえなかったり、過去の損失負担にあえいでいる企業は、なお少なくないでしょう。もちろん損失を出さないに越したことはないのですが、出してしまった以上は、これをできるだけ有効利用することによって、傷口をこれ以上広げないことが肝要です。
税制は、課税所得の赤字すなわち欠損金の将来の所得との相殺や解散時の債務免除益との相殺を認めるといった企業の税負担の軽減に役立つ措置を用意しています。しかしながら、こういった措置は、損失や欠損金の実質的な売買を引き起こし、行き過ぎた租税回避を招くことにもなりますので、これを抑制するための措置も講じられています。
今回のグッドプラクティスセミナーでは、欠損金の繰戻還付・繰越控除制度、解散・倒産時の繰越欠損金の使い方、法人支配や合併を通じた含み損・繰越欠損金の引継・使用制限を取り上げて、不本意ながら出してしまった損失の有効活用法と注意事項について解説します。
募集人数は75名です。

開催場所:神戸大学梅田インテリジェントラボラトリ